2012年4月13日金曜日

お金に無頓着な日本人

2011年の金融広報中央委員会の調査を興味深く読みました。
http://www.shiruporuto.jp/finance/chosa/yoron2011fut/pdf/yoronf11.pdf
気になった部分について考察していきます。


標本のうち世帯主が65歳以上が30.7%、就業者なし世帯は14.7%。世帯主は高齢でも世帯で誰かしら働いているということになります。ちなみにこの調査では日本全体の3割を超える単身世帯が除かれています。


Ⅰ.金融資産の状況
1.金融資産の保有状況
金融資産をまったく持たない世帯が全体の28.6%だそうです。前年の22.3%から一気に増加しています。年収手取300万~500万世帯における伸びが顕著です。

世帯収入が1000万を超えていても金融資産なしの割合が約1割というのも不思議な感じがします。
金融資産を保有していない理由が明らかでないので詳細が知りたいところです。
金融資産の中央値も500万から420万に落ち込んでいるのも、残高の少ない層の増加の影響を受けているのでしょう。
前年に比べて金融資産が減った理由として株式・債券の評価額減少の割合が高くなっています。デフレが続いてますからね。


2.金融資産の保有目的
「病気・不時の災害への備え」「老後の生活資金」という分かりやすい理由になっています。ここで1.の図表3に立ち戻ると、世帯主年齢60歳以上の約半数は金融資産残高は「変わらない」「増えた」と回答しています。備えとして資産を蓄えるものの実際使われないケースが多そうです。そして、遺産動機については財産を使い切りたいという割合は18.8%になっています。日本人の平均寿命の高さを考えると相続される側も相続時点では高齢になっているでしょうから、お金がなかなか世の中に出てこないのも納得です。


3.金融資産目標残高
金融資産目標残高の中央値はずっと1000万で変わっておらず、現状の約2倍が目標となっているわけですが、この金額の妥当性はどうなんでしょう?


4.金融資産の選択
元本割れを起こす可能性があるが、収益性の高いと見込まれる金融商品の保有について、まったく思わないという回答が8割強でずっと推移しています。リスク許容度が低いという現状があるのかもしれませんが、資産運用という発想は育ってなさそうです。


Ⅲ.家計のバランス、生活設計等
3.老後の生活への心配、年金に対する考え方
図表23で老後の生活費の収入源として「金融資産の取り崩し」と回答したのが28.2%です。金融資産の保有目的として「老後の生活資金」と回答したのが65.3%だったのに。老後のために金融資産を保有するけれども取り崩すつもりはないということなのでしょうか。


5.生活設計
図表26の生活設計策定有無の回答が興味深いことになっています。10年前からほぼ割合が変化していないんですね。ということは、「現在は立てていないが今後立てるつもり」と回答してはみたものの、実際立てることはない、ということなのでしょう。結果、6割強の世帯が生活設計なしに暮らしているということになっています。


調査結果を読み終えて
生活設計がなくては計画的・戦略的に金融資産を積み増していくことはできないと感じました。
金融資産を保有する目的と実際の使い道が明確にリンクされていない、将来不安のために金融資産は保有していくものの、実際に使い切ることもなく相続されていく。金融資産といっても、リスク許容度が非常に低いので運用先も限られたものになってしまう。
この調査の目的の1つである、「金融知識を身につけることの大切さを広報する」という点は達成できていないと感じるとともに、お金に対してある意味無頓着な人が多いんだなぁと感じました。


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